インド北部ラダック地方にある、レーという場所をご存知ですか?
そこは今や退廃してしまったと言われる、
インドの喧騒と人との関わりに疲れた方にオススメする、
そこはインドだけれど、インドではない。
やはりスパイスの効いたカレーでしょうか。インド映画やタージマハルを思い浮かべますか?
ちょっとインドを知る旅好きな人なら、果敢に騙そうと向かってくるインド人を思い浮かべるかもしれません。
僕はインドに来るまで、バックパッカーが集まる魅力の詰まった国でありながら、世界三大ウザい国にカウントされているしつこいインド人たちのイメージでいっぱいでした。
実際に僕はデリーやバラナシでこれでもかというほどインドの洗礼を受けました。
でも、レーは違います。
いま皆さんが思い浮かべているインドとは天と地ほど違う世界が広がっています。
どのくらい違うかというと、

レ―からパンゴンツォへの道中

デリーのメインバザール
このくらい違います。
どことなく笑顔も変わってきます。
じゃあ、レーってどんなところなのよ?
レ―がそもそもどこらへんにあるのかというと、だいたいこのへん。
数多くの山岳地帯を超え3000m級の山々を過ぎたその奥、インドのラダック地方という場所に位置していて、パキスタンと中国の国境近くにあります。
中国のチベット地域が、いろいろ政治的に問題を抱えていることはご存知の方も多いと思います。
政府との難しい関わりの中で、中国領内のチベット文化は退廃の一途を辿っています。
しかし、古くから同じチベット文化を持っていたレ―は、インドの領域に位置するため廃れることなく今も色濃く残っているわけです。
今や中国よりもチベット文化が保たれていると言われるレ―ですが、その文化が変わらず残り続けている理由は 、その立地にあります。
このレーという街は、標高3650mの高さに位置していて、富士山(標高3776m)とほぼ同じ高さにあるわけです。
この高さに位置するため、行くのはなかなか難しいです。
陸路はその高さに起因する吹雪に見舞われるため夏季以外は基本的
この気難しい立地に加え、
ちなみに、チベット文化というだけあって、
インド人ではあるものの、
レーはとても過ごしにくい!?
レーは不思議な街です。
毎晩ほぼ必ず停電します。
それに、Wi-Fiも街全体でちょくちょく遮断します。
それどころか、電話回線も通じません。
レーは電力の供給が不安定なそうで、
Wi-Fiが街全体で不安定な理由も、電力の供給に比例しているのかなと。街全体でWi-Fiが不安定なので、Wi-Fi完備の宿に宿泊してもWi-Fiには期待できません。一晩まるまる使えないこともありました。

レーへの行き方と注意点。
レーへの行き方は陸路と空路で向かう2つの方法があります。
バスで向かう
レーは3650mの高地に位置するため、
レーへバスで向かうには、デリーからマナリーまで行き、乗り継いでレーへと向かいます。所要時間は乗り継ぎ時間を含めないで35~40時間程度。
陸路は膨大な時間と労力を必要としますが、メリットも。
そして、
飛行機で向かう
料金は陸路に比べて高くなりますが、
僕も飛行機を利用してレーへ向かいました。
現在はデリー⇔レー間において
- エアインディア
- ジェットエアウェイズ
- スパイスジェット
- GoAir
時間と快適な移動を求めるなら飛行機に軍配が上がりますが、

移動手段をまとめるとこんな感じ。
方法 | 所要時間 | 値段 | メリット | デメリット |
バス(デリ~マナリー~レー) | 約35~40時間 | Rs2000~Rs4000
(約¥3000~¥6200) |
|
時間と労力がとにかくかかる。 |
飛行機(デリー~レー) | 約1時間30分 | 片道約¥7000~¥9000 |
|
急激に高度を上げるため高山病になりやすい。 |
僕はGoAirでレーへ向かいました
レーは山間部に位置するため風や天候の影響を受けやすく、立地からも着陸は難しいようです。
そのため、レー空港の営業は午前中のみで、昼を過ぎると業務は完全に終了します。
デリーからレーへ向かうフライトがどれも朝が早いのはそのため。
ラウンジ内の軽食と飲み物は好きなだけ頂けます。



美しい飛行機からの景色を楽しむために、
搭乗率8割を占めるインド人たちも、
レーに到着したらすること、注意すること。
といってもその届出を出す作業はそんなに難しくはありません。

空港から街中への交通手段はプリペイドタクシーのみ。
1. 建物を出て左側にあるプリペイドタクシーのカウンターへ。
2. 中のおっちゃんに行き先を伝える。
3. 行き先と値段の書かれたレシートをもらう。
4. その紙を近くにいるタクシードライバーへ渡す。
たったこれだけです!
値切ることもできないので高いような気もしますが、

レーで注意すること
レーに着いたら、見るべきものがたくさんあります。
しかし、平地から高地に急に移動すると、高山病を発症する危険があります。
着陸前の機内や、空港内でもアナウンスされていますが、高山病を発症するととっても苦痛で危険です。
レーといえば、パンゴンツォ。
はるばるこの地に来たからには必ず抑えておきたいスポットがたくさんありますが、その中でもダントツで行ってほしい場所はレーから車で片道6時間の場所にあるパンゴンツォ。


インド映画「きっと、うまくいく」のロケ地にもなったコバルトブルーに輝く天空の湖です。
狭いミニバンの中で身を縮めながら転落した車をよそ目に崖すれすれで突き進んでいくあの道中はもう二度と経験したくはありませんが、その先に見えるパンゴンツォの絶景は半端じゃないです。
パンゴンツォについてはコチラの記事で詳しく取り上げているので気になった方はぜひご覧下さい。
死ぬまでにみんな行こう、ラダック。
ラダックは本当に素晴らしい場所です。
日本の山際に残る田舎町のようで、どこか懐かしい街。
空気が良くて、人が良くて、山々が美しい、そんな街です。
デリーから鉄道でアクセスできるジャイプールやアーグラ、
この記事からもレーがどんなに素晴らしい場所か、
インドへ行ったらぜひラダック地方のレーへ。
そしてパンゴンツォへ。
どこか神秘的なこの山岳地帯は、インドのイメージだけでなく、旅に対するあり方を大きく変えてくれることでしょう。